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 日本比較文学会中部支部第13回院生ワークショップ プログラム

 

日時:2025年2月22日(土)13:00-14:00

場所:名古屋大学 全学教育棟4階 405人文学研修室

 

 *名古屋大学マップ https://www.nagoya-u.ac.jp/extra/map/index.html

                        (全学教育棟は地図のB4①になります)

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13:00  開会の言葉: 星野 幸代(名古屋大学)

13:05―30 研究発表

   発表タイトル: 中国人ファンの視点から見た宝塚歌劇団

                          ―中国現代社会におけるジェンダー秩序との関係

      発表者: 李 筱萌(名古屋大学大学院人文学研究科博士後期課程1年)

        司会: 星野 幸代(名古屋大学)

13:30―45 質疑・コメント

13:45 総評: 平林 美都子(愛知淑徳大学 名誉教授) 

 

発表要旨

      中国人ファンの視点から見た宝塚歌劇団 ― 中国現代社会におけるジェンダー秩序との関係

                         名古屋大学大学院人文学研究科博士後期課程1年 李 筱萌

 

 本研究は、日本の宝塚歌劇団における男役のジェンダー・パフォーマンスと、それを受容する中国人ファンの視点に焦点を当てたものである。宝塚歌劇団は1914年の創設以来、女性のみで構成される劇団として発展し、特に「理想化された男性像」を体現する男役が劇団の魅力の中心となってきた。舞台上のみならず、オフステージでも男役の「男性的」な振る舞いが求められ、ファンの期待がそのパフォーマンスの維持に影響を与えている。発表者はこれまで、SNSを中心に活動する中国人ファンへのインタビュー調査を行い、彼らが宝塚の男役をどのように解釈し、その消費行動やジェンダー観にどのような影響を受けているのかを分析した。結果として、中国人ファンの間では、男役のパフォーマンスに対する受容の仕方が多様であり、特に、中国の社会的・文化的背景のもとで、中国人ファンはSNSを中心に独自のコミュニティを形成している。また、男役のパフォーマンスは理想の「男性像」として受容されるだけでなく、ファン自身のジェンダー観やアイデンティティにも影響を与えている。次の段階の研究としては、宝塚歌劇団と中国の女子越劇を、同様にSNS上の中国人ファンにインタビュー調査を行い分析する方法によって比較することで、両者のジェンダー・パフォーマンスが異性愛規範の再生産にどのように関与しているのかを考察する予定であり、現在、質問項目などを検討中である。近年、中国のSNSでは宝塚と女子越劇を比較する議論が活発になっている。そうした状況を受けて、この第二段階の研究では、宝塚歌劇と女子越劇の比較を通じ、中国現代社会におけるジェンダー秩序の維持と再生産を考察し、そして女子演劇におけるジェンダー・パフォーマンスの国際的な受容と変容を探ることを目的とする。

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