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  日本比較文学会中部支部第14回院生ワークショップ

日時:2026年2月21日(土)13:00-15:00

場所:オンライン開催

ZOOM の入室URL、ミーティングID、パスコードは以下の通りです。

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https://us02web.zoom.us/j/87657289118?pwd=lbYf38Kr0JdlKaMm8ixpIliTTc4TCU.1

ミーティング ID: 876 5728 9118

パスコード: 371100

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※日本比較文学会中部支部以外の会員や非会員の方もご参加いただけます。なお、ZOOMの入室に ついてご不明な点などございましたら、以下の連絡先までお問い合わせください。

   尹 芷汐(名古屋大学)

   E-mail: yin3zhi3xi1(at)gmail.com (at)は@に置き換えて下さい。

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<プログラム>

13:00 開会の言葉:平林 美都子(愛知淑徳大学名誉教授

13:05―30 研究発表①

発表タイトル:

冷戦初期日本における映画『白夫人の妖恋』――「白蛇伝」改作の意図

発表者:張 若千(名古屋大学大学院人文学研究科人文学専攻中国語中国文学D1)

司会:星野 幸代(名古屋大学)

13:30―45 質疑・コメント

13:45―14:00 休憩

14:00―25 研究発表②

発表タイトル:

戦時期における梅娘創作の「暴露真実観」論――小説「第二代」を中心に

発表者:丁 寧(名古屋大学大学院人文学研究科人文学研究科中国語中国文学M2) 司会:星野 幸代(名古屋大学)

14:25―40 質疑・コメント

14:40 総評:(林 正子)(岐阜大学名誉教授)

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<発表要旨①>

 冷戦初期日本における映画『白夫人の妖恋』――「白蛇伝」改作の意図

     名古屋大学大学院人文学研究科人文学専攻中国語中国文学D1 張若千

 「白蛇伝」は中国で最も広く伝わる伝説の一つであり、古来より様々な形で改編が繰り返されてきた。江戸時代には既に日本に伝わり、上田秋成によって「蛇性の淫」として『雨月物語』に 収録された。1950年代に入ると、白蛇伝説は再び日本で注目を集め、多様な芸術形式において 翻案され、映画『白夫人の妖恋』もその一つとして製作された。1950年代は冷戦期にあたり、日中両国はイデオロギー的に対立し、政治的にも公式な交流がほぼ無い状況にあった。しかしながら『白夫人の妖恋』は、日本において既に土着化していた怪談「蛇性の淫」の伝統を継承する のではなく、中国伝統的な白蛇伝説を原本として創作を展開した。このような翻案の方向性自体、改めて考察に値する問題である。本研究は、『白夫人の妖恋』が翻案過程において、どのように筋立ての取捨選択や人物造形を行い、それを通じてイデオロギーを伝達しようとしたのかを 分析する。さらに、冷戦期の日本の歴史的・政治的コンテクストを踏まえ、戦後日本が日米同盟 体制と反共イデオロギーの影響下にあった状況の中、映画産業がなぜ中国の伝統的題材を選択し、アダプテーション作品として文化的想像を表現しようとしたのかを考察する。

<発表要旨②>

 戦時期における梅娘創作の「暴露真実観」論――小説「第二代」を中心に

       名古屋大学大学院人文学研究科人文学専攻中国語中国文学M2 丁寧

 

 本研究は、日中戦争期に満洲国および華北文壇で活動した女性作家・梅娘の小説作品を対象とし、彼女の創作に一貫して見られる文学観である「暴露真実(真実をさらけ出す)」の内実を明ら かにすることを目的とする。とりわけ淪陥区という特殊な時代背景に着目し、梅娘の小説における語りの形式、題材選択、ならびに当時の満洲国文壇との連続性を多角的に分析する。

 『第二代』は、梅娘が満洲国時代および在日期に創作した小説の一部を収めた作品集であり、1940 年に満洲国の益智書店から刊行された。表題作「第二代」は、子どもの視点を通して、満洲 国の底層階級が飢餓や貧困と密接に結びついた生活を送っている様子を描いている。物語では、底辺の人々のささやかな日常が描かれると同時に、戦時特有の情景が挿入されており、緊迫した空気を形づくっている。そこには、被植民者としての直接的な抵抗の言葉は見られないものの、日常の描写の背後には、戦争と支配への暗黙の批判が潜んでいる。こうした語りの形式と題材の 選択からみると、梅娘が満洲国文壇において属していた文叢派刊行会同人の文学観と深く結びついている。

 以上の考察を通じて、淪陥区における女性作家は、政治的制約において被植民者の目にした東 アジアと戦時期各階層の人間の運命に関する描写をいかに工夫していたのかを明らかにすることで、戦時期の文学研究および植民地女性文学研究に新たな視点を加えることを目的とする。

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