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 日本比較文学会中部支部第12回院生ワークショップ プログラム

 

日時:2024年2月17日(土)13:00-14:00

ZOOMオンライン開催

※参加を希望される方は、事務局にE-mailで連絡ください。ZOOMの情報をお伝えします。

連絡先 日本比較文学会中部支部事務局 杉浦清文(中京大学)

E-mail: ksugiura(at)lets.chukyo-u.ac.jp

(※(at) は @ に置き換えて下さい。)

 

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13:00  開会の言葉:星野 幸代(名古屋大学)

 

13:05―30 研究発表

  発表タイトル:中国におけるモダンダンスの役割変容

             ――1980年代以降のフェミニズム創作に至るまでの再評価――

  発表者:王 瑩(名古屋大学大学院人文学研究科M2)

  司会:星野 幸代(名古屋大学)

 

13:30―45 質疑・コメント

13:45 総評:松本 三枝子(愛知県立大学名誉教授)

 

 

発表要旨

 

 中国におけるモダンダンスの役割変容

       ――1980年代以降のフェミニズム創作に至るまでの再評価――

                                 名古屋大学人文学研究科M2 王 瑩

 

 1940年代戦時期中国において、モダンダンスは先駆者の呉暁邦と戴愛蓮により、抗日の宣伝、民衆の動員のために役割を果たしてきた。続く三十年間、モダンダンスは従来の中国舞踊史では「沈黙」したと言われてきたが、舞踊家の動向を追跡すると、実際には文工団の軍隊舞踊との連携、「古曲新舞」の創作、少数民族舞踊との連携など、モダンダンスはナショナリズムの創出に役割を果たしたことが分かる。1980年代以降、文芸の革新政策に呼応し、モダンダンスはリバイバルした。さらに、フェミニズム批評の風潮に影響され、女性の内面を表現する作品が現れた。

 本発表は舞踊家・舒巧の振付けた「玉卿嫂(玉卿ねえさん)」(原作:白先勇)、「胭脂扣(ルージュ)」(同:李碧華)を取り上げて分析を行う。文学作品から改編したこの二作は原作と比べ、叙事の機能が薄められる一方で、女性主役の内面、主体性、感情をソロダンス、ペアダンス、群舞によって表現している。呉、戴からリアリズムと単純化した表現を受け継いだ一方で、舒巧を代表とする次世代の女性振付家の創作は民族、愛国主義、真善美のテーマから脱出し、個人の内面、思想、感情及び主体性に重点を置いて表現したという変化が見て取れる。

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